今回はボールパイソンを初めて飼う方に向けて、管理人が飼育・繁殖を通して行き着いた「飼育に必要なもの一覧」と「飼育方法」について紹介します。
この記事と各項目の詳細記事をご確認いただければ、問題なくボールパイソンを飼育できるようになっているかと思います!
- ボールパイソンの飼育に必要なものが知りたい
- おすすめの飼育用品やケージは?
- ボールパイソンの飼育方法が知りたい
- 温度や湿度はどれくらいにすればいい?
- 餌の給餌間隔や適切な大きさは?
こういった疑問に答えます。
この記事を書いてる管理人はボールパイソン歴8年ほどで、繁殖経験もあります。
【ボールパイソンの飼育環境】保温方法とケージレイアウト
まず最初にうちの飼育環境を写真と図解で紹介。
写真の例は、バナナのボールパイソン♂をパンテオン6030(幅60cm×奥行き45cm×高さ30cmのケージ)で飼育しています。
飼育用品の配置図はこんな感じ。
「暖突」という保温器具を「サーモスタット」に繋いで全体の温度を上げて制御しつつ、「パネルヒーター」で温度勾配をつけホットスポットを作ってます。
パネルヒーターはあくまで温度勾配をつける為に使用し、目安として「ケージの3分の1程度」にかかるようにしています。
温度勾配をつける理由は、爬虫類は変温動物なので自分での体温調節が苦手な為、いつでも好きな温度帯の場所を選んで体温・代謝を調節してもらうためです。
「温度勾配」や「ホットスポット」など飼育に関する用語がよくわからない方はコチラの記事も参照してください。
飼育ケージの大きさについて
地上性のヘビの飼育では「トグロを巻いた時の3〜5倍の広さ」が理想とされています。
またボールパイソンはオスとメスで大きさ・太さが変わります。
終生飼育できるオス・メスそれぞれの理想のケージの大きさは下記の通りかと思います。
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オス
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約60cm以上(幅)×45cm以上(奥行)×30以上(高さ)程
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メス
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約90cm以上(幅)×45cm以上(奥行)×30以上(高さ)程
ボールパイソンの体の特徴や生態は以下の記事で詳しく紹介しています。
アダルトサイズのボールパイソンの飼育温度・湿度の目安
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日中の全体温度
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28度
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日中のホットスポット
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32度
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夜間の全体温度
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27度
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夜間のホットスポット
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30度
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湿度
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65〜70%
ベビーサイズのボールパイソンの飼育温度・湿度の目安
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日中の全体温度
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30度
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日中のホットスポット
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33度
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夜間の全体温度
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29度
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夜間のホットスポット
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32度
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湿度
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70〜80%
スルーされがちな湿度ですが、高温多湿を意識して上記のように高めに保つのを強くおすすめします!
基本的には以下の対策を行います。
- パネルヒーターの上に水入れが乗るようにして、湿度をあげる
- 蓋の通気部分を一部覆って湿度が逃げないようにする
- 朝夕の霧吹き
- 加湿器の稼働
温度・湿度管理の方法は下記の記事で詳しく紹介していますので、あわせて読んでもらえるとうれしいです。
【ボールパイソン飼育セット】飼育に必要なもの一覧とその費用
管理人が飼育・繁殖を通して行き着いた「飼育に必要なもの一覧」「おすすめ飼育用品」「初期費用」をまとめました。
- ケージ
- 床材
- 次亜塩素酸水(清掃用)
- 水入れ
- 暖突
- サーモスタット
- 蓄圧式霧吹き
- マルチパネルヒーター
- サーモガン
- 温湿度計
- 体重計
- 給餌用ピンセット
それぞれ詳しく紹介していきます。
ちなみに上記を全て揃えた場合の合計金額は以下の通りです。
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オスの場合
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約45,000円
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メスの場合
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約58,500円
ケージ
ケージについては、最初から終生飼育可能な大きさのケージを購入するのがおすすめです。
ケージが大きいと保温がしづらいという意見もありますが、ケージに合わせた適切な大きさ・出力の保温器具を使えば問題ありません。
ケージ種類についてはパンテオンシリーズをおすすめしています。
オスのボールパイソンの場合
個体差はありますが、オスの場合はメスほど大きくはなりませんので、基本この6030で終生飼育可能かと思います。
大きさは以下の通りです!
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幅
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605mm
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奥行き
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455mm
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高さ
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300mm
メスのボールパイソンの場合
メスのボールパイソンの場合は、パンテオンの9045をおすすめします。オスより大きくなる為です。
高さも45cmありますので、流木を設置したりして立体活動もさせられます。
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幅
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905mm
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奥行き
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奥行き455mm
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高さ
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高さ450mm
床材
ヘビ飼育は誤飲の心配も少ないので、ペットシーツが一番使い勝手がいいと思ってます。
水色のよくあるペットシーツは、見た目がトイレっぽくて悪いかもしれませんが、白いワンなど白系ペットシーツならそうでもないです。
パンテオン6030ならワイドがぴったりです。パンテオン9045の場合は、何枚か組み合わせて使用します。
フンや尿酸の状態も白色ならわかりやすいので、病気の早期発見にも繋がります。
ケージの見た目を壊したくない方には下記がおすすめです。
爬虫類用の床材として売られているものです。
よく売られているアスペン系の床材と違い、
- エサをあげた時、チップがエサにつく
- かみついた時に腸が飛び出してしまい、チップがつく
- ネズミをのむ時、口内に付着する
など誤飲の可能性が少ないです。
また保湿性にもすぐれているので、霧吹きをして湿度の管理がしやすいです。
ただヤシ系(ハスクチップ)は、不衛生になるとダニや虫が発生する可能性があるので注意です。
定期的な交換が必要ですね。。
次亜塩素酸水(清掃用)
これらはアルコール不使用の除菌消臭水で、病院などでも採用されてるみたいです。
使用後、すぐに水に戻るからペット関係の除菌・消臭として安心して使えます。汚れた箇所にスプレーしてキッチンペーパーなどで清掃します。
水入れ
基本100円ショップなどで売っているような、全身が浸かれる大きめのタッパーやプラスチックケースで問題無いかと思います。
うちでは100円ショップで売っているようなプラスチックケースを使用しています。
レイアウトを崩したく無い方は、爬虫類用の水入れがおすすめです。
うちでは一部でこのような皿タイプのものでも飼育しています。適切な湿度が維持されていれば脱皮などに問題はないのかと思います。
だけど全身入れるに越したことはありません!
全身入れる水入れをおくことで、ヘビ自身が好きな湿度の環境を選ぶことができるし、水に入って体温調節もできるからです。
暖突
6030なら暖突Mがおすすめ
9045なら暖突Lがおすすめ
暖突はケージの空気・全体温度を上げて保温するための言わばミニエアコンです。
こちらは自動で温度が制御できないので、オーバーヒートを防ぐために必ずサーモスタットと併用しON・OFFを制御して使用します。
ヘビの場合、ケージ内で保温球を使うのは、やけどのリスクがあったり、霧吹きで割れる可能性があるのでおすすめしませんが、暖突なら特殊な加工で火傷のリスクもありません。
暖突をパンテオンに取り付ける方法やサーモスタットと接続する方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
サーモスタット
暖突のオーバーヒートを防ぐための制御装置です。温度計の機能も担ってくれます。
また変温動物の爬虫類は夜間の温度帯の低い時に細胞を休めます。
こちらのタイマーサーモだと日中と夜間で温度差をつけられるので、タイマーなしのものに比べると少々値が張りますが、予算に余裕があればこちらを購入することをおすすめします。
こちらは少しお値打ちな爬虫類サーモです。ダイヤルによって温度設定を変えられます。
しかしタイマーサーモみたいに、夜間と日中で温度差をつけたりするのは、ダイヤルを手動でまわして日々調節するしかありません。
また照明等のタイマー機能はありません。
照明用のタイマー機能も欲しい方は「時間を設定して、ON・OFFしてくれる」タイマーコンセントを利用する手もあります。
蓄圧式霧吹き
暖突などで保温するとどうしても乾燥しますので、特に霧吹きによる湿度維持は重要です。ニシキヘビは呼吸器疾患が多いですから。
そこで便利なのがこの蓄圧式の霧吹きです。
普通の霧吹きと違い、ほぼ全自動で霧吹きができて手が疲れません。飼育個体が多い方には特におすすめです。
マルチパネルヒーター
変温動物である爬虫類は体温調節が自らでき無いので、ケージ内に温度勾配を作り、適温である場所に移動して体温・代謝を調節してもらう必要があります。
そのホットスポットを用意するために使用します。※ケージ全体の保温は暖突で行います。
またうちでも色んなパネルヒーターを試しましたが、使い勝手・精度ともにNo. 1です。基本これ一択でいいと思います。
6030ならマルチパネルヒーター16Wがおすすめ
9045ならマルチパネルヒーター32wがおすすめ
サーモガン
1家に1台のサーモガン(放射温度計)です。
何気に爬虫類用も売られているサーモガンですが、専用のものでなくて十分というか、ふつうの物の方が精度いい気がします。
爬虫類飼育で重要な温度勾配を測定するのにかなり重宝します。
温湿度計
放射温度計は本来、表面温度を測定するのに適しているものです。通常の温湿度計も設置することをおすすめします。
測定しても同じ温度のことが多いですが…。
最高最低温度計はリセット機能がついていて、1日の最高最低温度・湿度がわかり「夜間の温度の下がりすぎ」「日中の温度の上がりすぎ」にいち早く気付けます。
またINとOUT機能がありセンサーで外から温度を測定し、同時に温度計本体を設置している部屋の温度も測れます。
以下は爬虫類用の少しお値打ちな温湿度計です。
ケージ内に吸盤で貼り付けられ、湿度も同時に測定してすることができます。
体重計
値段も手ごろで、風袋引き機能もついているので、大きめのプラケなどにヘビを入れて体重を計ることができます。
子ヘビから育てている場合、成長の過程を記録しておく為にも体重を計るのはおすすめです。
体重が増えて成長しているのが数値で見えるのは楽しいです。
またボールパイソンはよく長期で拒食します。
季節性の拒食の時は、代謝が不活発になっているので体重の減少があまり見られません。
逆に普通の拒食の時は、体重の減少が数値にも徐々に表れます。
健康のバロメーターとしても体重は大事です。
また何か病気になって獣医にかかった時や飼育・繁殖の相談をするときにも体重の変化の推移がわかっている方が適切な判断がしてもらえるかと思います。
給餌用ピンセット
竹製なので他のピンセットに比べて、生体が噛んでしまっても口内を傷つけにくくいのでおすすめです。
予算に余裕が有れば+αであったほうがいいもの
LEDライト
ボールパイソンは昼行性のトカゲなどと違って紫外線は必要無いですが、ライトが無いとケージが寂しいので、設置してあげるとインテリア性も上がっていいかと思います。
加湿器
冬場は保温器具も使いますのでケージ内も乾燥します。
霧吹きやケージの通気を調整する他に、ボールパイソンを飼育している部屋に加湿器があるとさらに安心です。
ボールパイソンの給餌について
ボールパイソンの餌は冷凍マウス・冷凍ラットを使用します。
生き餌を使用することもできますが、管理が大変であったり、ネズミの反撃などによるマウスロットなどのリスクがあるので、基本的にはおすすめしません。
またヒヨコなどの冷凍餌もありますが、圧倒的にマウス・ラットの方が栄養価が高いので、これらをあげる方が良いかと思います!
餌の栄養価や種類については以下の記事で詳しく解説しています。
餌のサイズについて
うちでは下記を目安にエサを与えています。
- ヘビの頭のサイズと同じくらいの頭のサイズのネズミ
- ヘビの胴体の一番太い所より、若干太いくらいの大きさのネズミ
毎回苦戦せずにあっさり食べれたり、まだ欲しそうにケージの中をソワソワしていてもう一匹食べるようなら、餌をサイズアップするのがおすすめです。
給餌頻度について
餌頻度については、うちでは飼育個体の大きさに合わせて、下記を目安にエサを与えています。
- ベビーなら4日に1回くらい
- ヤングなら7日に1回くらい
- アダルトなら12日に1回くらい
「冷凍餌の解凍方法」「給餌頻度」「餌の大きさ」については以下の記事で解説しています。
最後まで見ていただいてありがとうございました。
本記事と各詳細記事をご確認いただければ、問題なくボールパイソンを飼育のイメージが掴めるかと思います!
この記事を見てヘビ仲間が増えてくれると嬉しいです。