繁殖記事の続編です。♂バナナ×♀キラーブラストの組み合わせです。
前編のクーリングから交尾・最終脱皮までは下記の記事で紹介しています。
まずはベビー誕生までの流れをもう一度ご確認ください!
- クーリング
徐々に餌のサイズダウン&餌の頻度下げていき、♂は完全ストップ!
14日~28日程クーリングします。 - 交尾
何度も交尾させる - 排卵前脱皮
交尾のピーク - 排卵
排卵前脱皮の30日後くらい。 - 回転姿勢
排卵の14日後くらい。♀の餌完全ストップ! - 最終脱皮
排卵の20日後くらい - 産卵
最終脱皮の30日~60日後くらい - ハッチ
産卵後、30℃の温度管理で60日くらい - ファーストシェッド
ハッチの10日後くらい。餌食べ始める。
全体像が見えたところで順に、この記事では「卵の管理・ベビーの管理」を紹介します。
有精卵と無精卵の見分けは?
卵はどれくらいの温度・湿度で管理すればいいの?
卵の管理に必要なものは?
どれくらいで孵化するの?
ハッチしたベビーはいつから餌与えるの?
実際に行ったボールパイソン繁殖の産卵から卵・ベビーの管理までの記録を紹介します。
「産卵から卵を回収と♀の立ち上げまで」卵の向きには要注意!
キラーブラストが今回、最終脱皮から2か月半後、無事に産卵しました。
ボールパイソンは5~10くらい卵を産むと言われてます。
おわかりいただけたでしょうか。ニワトリくらいの大きい卵なのに見事に隠してます。
下からも観察!大漁です!
今回は立派な卵で10個産みました!
卵の回収
ここまでくれば、あとは気がたってる♀から卵を回収して飼い主の責任でハッチまでもっていきます。
ダメにしてしまったら自分も後を追う覚悟で臨みます。
このまま♀にまかせてもハッチまではするのでしょうが、普通は母体のことを考えて卵は回収して人工ふ化させ、やせてしまった♀の立ち上げをします。
この卵の回収をするときに要注意なのが、絶対卵の向きを変えてはいけません。
爬虫類は卵に胚の向きが決まってますので、通常に発生がしなくなります。
下記の手順で作業します!
- 気が立ってる♀を落ち着かせるために、顔にタオルなどかぶせて目隠しさせます。
- すこし指で卵をさわってマジックで上側に印がつけれるくらい卵が固くなっているのを確認(ヘビの卵はもともと柔らかめです)
産みたての場合は半日ほど数時間放置してから臨みます。 - ♀が抵抗しますがマジックで一通りすべての卵に、上側に印をつけたら回収します。これも♀の為です。
- タオルを被せて視界を奪ったまま、徐々にトグロを巻いた♀をはがしていきます。
卵に衝撃を与えないように少しずつです。 - ボールの卵は卵塊になってくっついていますが、無理に引きはがさなくて大丈夫です。
くっついて湿度と胚向きを保っているので、卵塊のまま♀から取り上げます。 - 卵を回収した日付をメモしておきます。30℃前後の管理で2か月でハッチしますので、目安になります。
それより低温だと3か月くらいかかります。一般的には30℃前後管理が普通です。
私は5月の給料日に産卵したので、ぴったり7月の給料日にベビーが卵から顔を出しました!
♀の立ち上げ
卵を回収したら♀の立ち上げをしなきゃいけません。
卵もってた時と比べると体はもうがりがりになってしまってます。
背骨が少し浮き出てしまってました。。
お疲れ様。ほんとにありがとう。
卵を回収した後しばらくは餌を食べないようです。
卵の臭いが残ってるとダメらしいので、そのケージを洗いメスの温浴をして臭いを消します。
うちはこれをしたからか産卵した日の夜に食べました(笑)
これも久しぶりの餌ですので1サイズ小さめの餌にし、徐々に戻していきます。
いまでは完全な爆食女に戻りました。
「キャンドリング」無精卵か有精卵かの見分ける
卵を産んだら有精卵か無精卵か判別します。
無精卵なら腐ってしまいますので有精卵とはわけないとまずいです。
確実なのは部屋を真っ暗にして、卵をライトで照らします。有精卵なら血管が張っているので、すぐにわかります。
無精卵なら血管はうつりません。
こんなかんじです。無精卵なら♀にはじかれていることが多いです。
有精卵は鶏卵なみに白いですが、無精卵は汚い黄色をしてます。
「卵の管理方法と必要なもの」卵は高温多湿で管理!濡らさぬのが鉄則!
卵塊(卵10個)を回収しました。これから2か月程コンテナ等に詰め込んで管理します。
卵を抜いた状態で1568グラム。インした状態で2261なので、10個で693グラム。
平均1個69.3グラムの結果になりました。
卵はこれより以下の温度・湿度で管理します。
- 温度 30~32℃
- 湿度 80~90%位
必ず毎日1回空気の入れ替えをします。酸素を供給するためです。
この30℃前後の管理で2か月程で孵化します。2か月って長いですよね…
温度が低すぎると死籠り、温度が高すぎると奇形、湿度が不足するとへこんで死んでしまいます。適切な温湿度管理が必要です。
以下うちでの管理方法ですが、写真と図を見てください。
ワイヤーネット&ダンボールハウスです。
安っぽそうですみません。でもこれで全部ハッチしました。
100均で売ってるワイヤーネットを結束バンドで5つとめて、そこに暖突をバーベキュー網につけたものをまた取り付けています。
コンテナの空気の換気をしたり、卵の観察をしたいからフタは開閉できるようにしてます。
さらにそこにダンボールをつえて暖突の熱が逃げにくくしてます。
コンテナと暖突の距離は必ず離すようにしてます。暖突の表面に直接つけると溶けそうだから…。
パネルヒーターをコンテナの下に引くと、産卵用の床材の水分が直接温められて水滴がふたなどについてしまい、卵が水滴をかぶってしまいそうなので、うちでは暖突で保温しています。
とりあえず、安上がりに作れそうだったのがコレでした(笑)
他にもいろいろ工夫次第でいろいろできると思います。
卵管理図
絵へたくそでごめんなさい。
まわりは先述のワイヤーネット&ダンボールでかこって熱を逃げにくくしてあります。
それでは順番に解説していきます。
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黒
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コンテナ
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黄緑
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空気穴
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赤
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暖突
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紫・オレンジ
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サーモ
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青
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温湿度計
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ベージュ・水色
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孵卵用の床材
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茶色
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園芸ネット
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灰色
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塩ビ管
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黄色
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卵
コンテナ
うちではコチラのすこし大きめで高さのあるコンテナで管理しています。
高温多湿で管理するので周りに結露ができやすいので、卵と水滴が触れないようにするためです。水滴にずっとふれていると卵が呼吸できなくなり死んでしまいます。
なので上の写真の通り、卵と四方・卵とフタの間に数センチ空間を設けてゆとりを持たせます。
空気穴
あまり空気穴を開けすぎると、湿度の維持が大変になるので、うちではコンテナに3か所穴を開けて管理しています。
そのうち1つがサーモ(センサー)を通す穴で使ってます。
ただし空気穴がすくない分やはり酸素も薄くなるので、私は毎晩フタを開けてパタパタ換気します。
暖突
バーベキュー網に付属のビスとワッシャーで、暖突を取り付けてます。
これをさらに先述のワイヤーネットへ結束バンドでつけています。
サーモ
お値打ちな爬虫類サーモです。ダイヤルによって温度設定を変えます。うちでは常時31℃で管理してちょうど2か月でハッチしました。
卵管理だけならこれがおすすめです。
少し値が張りますが、一番優秀なサーモかとおもいます。
現在温度も表示してくれるので卵管理においてもメリットです。
暖突とサーモスタットの詳しい使い方などは下記で紹介しています。
温湿度計
卵のふ化率を上げるには、温度・湿度の管理が一番大事です。私たちにできることはこれくらいしかありません(笑)
おすすめは温湿度が両方わかるものがおすすめです。コンテナの中に1つは入れておき毎日温度・湿度を確認します。
孵卵用の床材
今回はハッチライトと言う商品をそのまま敷いて、その上に園芸用のネットを敷いて卵を乗せてます。ハッチライト使えば間違いはないです。
ハッチライト等専用ものなら、床材の中にもともと水分が十分に保持されているので大概最後まで水分を足さなくても使えます。
こういった爬虫類用のものが手に入らない場合は、園芸用のパーライトでも代用可能です。
パーライトでの孵化用床材の作り方は下記の通り。卵管理図の床材の所を見てもらうと、1層と2層にわかれてるかと思います。
- 1層(下側)はパーライトに水分を多く含ませ、5cm程敷く
1層の水分を含ませるパーライトの水分量は重さで半々くらいの割合 - 2層(上側)はパーライトをそのまま使って3cm程敷く
園芸ネット
床材の2層上に、2枚くらい敷いてそのうえに卵を置きます。
卵が床材で濡れたり、卵からパーライトに水分をもっていかれるのを防ぐ為にも使います。
塩ビ管
孵卵用の床材1の部分に届くように差します。卵に直接水がいかないように、壁面に沿わせて端っこに2つずつ設けました。
湿度の低下していたら出番です。塩ビ管から、床材1の水分がなくなってきたときに水を足せるように設置してます。
水分が多くなりすぎないように少しずつ水を入れます。
卵
ひたすた2か月待ちます。
後半に進むにつれて、卵がべこっと凹んできますが、湿度が80~90%で適正ならそのままで大丈夫です。ふ化前になるとボールパイソンの卵は凹みができるのは正常です。
だけどこれが湿度不足によるものなら、塩ビ管から水を足して急いで湿度を上げます。
孵化直前はここまで凹みます。
…顔が出てきました!
ハッチしたベビーの管理。まずはファーストシェッドに備える。
ぞくぞくと出てきます。1着はレモンブラストでしたね。おめでとう。
結果すべてハッチしましたが、卵によって2日くらいラグはあります。
顔が出たからと言って、無理に卵を割って出したり、引っ張り出してはダメです。顔だけ出てるのはまだ卵の中でへその緒のようなもので残った栄養を吸収しています。
自然と出てくるのを待ちます。
また2~3日顔も出てこないとからと言って、卵に切れ込みを入れるのも個人的には避けた方がよいかと思います。卵によってばらつきはあります。
切れ込みを入れるのは他の卵のハッチから何日もたっている場合など、最終手段です。基本、自然にヘビが自力で出てくるの待ちます。
へその緒のようなものがお腹につながってる状態なので、細菌など感染のリスクがあるからです。
出てきて数日はつながってた後が、お腹についてます。
だけど数日でもう完全に閉じてわからなくなります。
キッチンペーパーやペットシーツなどの床材にして清潔な環境で管理します。
産まれた時は鱗もちゃんとしてないので独特の肌触りです。
結果、パステル×2・レモンブラスト×4・バナナパステル×2・バナナレモンブラスト×2でした!
かなり小さいほうなのかと思います。
ベビー10匹いて、36~48グラムの間でした。
とりあえず小分けして管理します。
私は生まれてしばらくは仕切りがつけれるコンテナを加工して管理しました。
しきりを真ん中にもってきて2部屋にしたり、外して1部屋にしたり自由がききます。
飼育環境はスタイルで管理してました。
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ケージ
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コンテナ
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温度
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30℃前後
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湿度
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70~80%くらい
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床材
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キッチンペーパー
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水入れ
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タッパー
産まれてしばらくは卵から吸収した栄養が残ってるので、何も食べませんが水はしっかり飲みます。いっぱい飲ませます。
ハッチしてから10日くらい経つと、ファーストシェッド(初脱皮)します。
かならず多湿の環境を作って成功させていいスタートをきらせるようにします。
この脱皮が終わるといよいよ餌を食べだします。
と言ってもファーストシェッド前の1匹が餌を探してソワソワしてたので、冷凍のファジー与えてみると普通食べました。中には脱皮前にも食べるやつがいるのです。
またこの子は冷凍餌に餌付きましたが、最初は活餌でないと餌付かないことがあります。
うちではもう1匹のバナナレモンブラストがそうでした。
自分でマウスやラットの繁殖されてる方は別ですが、ショップに頼んでファーストシェッドの予定日には活ファジーマウスあたり(小さめのがいい)を用意しておいたほうがいいです。
ただし日持ちがしないのでタイミングは重要です。
活もたべないときは、アシスト給餌です。うちではバナナパステルがそうでした。
アシストの際は、1サイズダウンさせて行います。冷凍ピンクマウスM~Lで行いました。
なのでファーストシェッドまでに活ファジーマウスとアシスト用の冷凍ピンクマウス用意しておきます。
最後までみてくれてありがとうございます。
この記事をみてボール仲間がまた増えたらいいなと思ってます。
クーリングから交尾・最終脱皮までは下記よりどうぞ