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【動物の学名と分類の仕組み】爬虫類図鑑がより楽しめます

目次

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グリーンイグアナの学名はIguana Iguanaです。学名のつけ方にも決まりがあります。

管理人のほーりーです。今回は爬虫類好きの方も知っていると爬虫類図鑑や専門書がさらに楽しめる『動物の分類と学名』について紹介します。

・動物の分類の仕組みが知りたい
・学名のつけ方が知りたい
・○の仲間や○○類って?
・亜種や基亜種って?
・ウマ目と奇蹄目の違いって?

動物の分類と学名の仕組み、学名のつけ方、ウマ目と奇蹄目の違い、タクソン・基亜種・シノニムなど用語などについて紹介します。

「動物の分類の仕組み」 タクソンや基亜種って?ウマ目と奇蹄目の違いも紹介

「界・門・綱・目・科・属・種」分類の階級・タクソンとは?

wikiなどで動物を検索すると○「界>○門>○綱>○目>○科>○属>○種」と分類されてるのが出てきます。

あれは進化による共通の特徴やDNAをもとに、『似た者同士』をグループ化しているものです。

これら1つ1つの分類階級をタクソンと言います。『界』の中に『門』があって、『門』の中に『綱』があるといった具合です。

ではお馴染みの動物、ボールパイソンやフトアゴヒゲトカゲの分類を見てみます。

ボールパイソンの分類

  • 界:動物界
  • 門:脊索動物門 →脊椎動物亜門
  • 綱:爬虫綱
  • 目:有鱗目→ヘビ亜目
  • 科:ニシキヘビ上科→ニシキヘビ科
  • 属:ニシキヘビ属
  • 種:ボールニシキヘビ

 

フトアゴヒゲトカゲの分類

  • 界:動物界
  • 門:脊索動物門 →脊椎動物亜門
  • 綱:爬虫綱
  • 目:有鱗目→トカゲ亜目→イグアナ下目
  • 科:アガマ科
  • 属:アゴヒゲトカゲ属
  • 種:フトガゴヒゲトカゲ

ここで出てくる「亜目」「下目」とは「目」をさらにグループ分けしたタクソンで、「上科」とは「科」の前にグループ分けしたタクソンです。

「○○の仲間」や「○○類」とは

よくテレビとかで「この動物や植物は○○の仲間です」とやってますが、あの『○○の仲間』もタクソンをもとに言ってますが、どの階級かは曖昧です。

  • 綱:爬虫綱
  • 目:有鱗目→トカゲ亜目→ヤモリ下目
  • 科:トカゲモドキ科
  • 属:トカゲモドキ属
  • 種:ヒョウモントカゲモドキ

ですから、仲間と言うなら爬虫類の仲間だし、トカゲの仲間でもあるし、ヤモリの仲間だし、トカゲモドキの仲間でもあります。追求するならトカゲモドキの仲間でしょうか。

「○○類」もこの分類の階級から来ています。真猿類や爬虫類などです。真猿類は真猿亜目、爬虫類は爬虫綱のことです。

 

亜種と基亜種のちがい

同じ種として独立させるには少し違った特徴があるということですね。もう分けだしたらきりがありません。

モンハンなんかでよく出てくる亜種も『種』をさらに分けたものです。少し強いとかではありません

基亜種というのが、何種かある亜種の中で、属が作られて一番最初に『種』と認められたものが基亜種(模式種)と呼ばれます。そこから進化して分かれた元の種とかそういった意味ではないです。

学名が『ゴリラゴリラゴリラ』で有名なニシローランドゴリラが基亜種に当たります

地域個体群

地域個体群というのはどこかで聞いたことがあるかと思います。

同じ地域に生息する個体群のことです。亜種として分けられなくても、A地域個体群とB地域個体群では違いがみられることもあります。すごくややこしくなってきました。

隠蔽種

今は同じ『種』として扱われてるけど、本当は何種類かの『種』が含まれていて、ゆくゆくは別種として扱われる可能性のあるもの。

モノタイプ

それより下のタクソンが1つしかないことを指します。

ツチブタとかカモノハシがこれになります。

カモノハシ科>カモノハシ属>カモノハシという状況です。

ウマ目と奇蹄目の違い

「ウマ目と奇蹄目」や「ウサギ目と重歯目」などはそれぞれ同じ意味ですが、違いはあります。

カタカナ表記の動物名が入った「目」は文部科学省が決めてる言い方。

そのグループの特徴をとらえ漢字の難しい表記で表した「目」が日本動物園水族館協会で決めた言い方です。

ただカタカナ表記だと特徴をとらえていないので、「シロアリはゴキブリ目」「アリはハチ目」など少しわかりずらい気がします。

爬虫類図鑑が楽しくなる「動物の学名の仕組み」 シノニムや二名法についても紹介

動物の学名のつけ方「二名法」

ここでもタクソンが関係してます。

動物の「学名」=「属名」+「種名」の2つで決まります。

この学名のつけ方を二名法と言い、カール・フォン・リンネという人が提唱しました。

(界・門・綱・目・科・属・種)の内の「属」と「種」を使うということです。

ボールニシキヘビで例えると、学名はPython regiusです。

Python(属名) + regius(種名) でボールニシキヘビの学名になります。

カーペットパイソンを好きな人がよく、モレリア属って言ってますが、これも属名の Morelia のことを言っていて、オマキニシキヘビ属と同じ意味です。

三名法

さらに学名で亜種を表すとなると三名法が使われます。属名 + 種名 + 亜種名の形になります。

爬虫類だと亜種のノーザンカーペットパイソンとかがそうです。Morelia spilota variegataになります。

基亜種のダイヤモンドパイソンはMorelia spilota spilotaになります。

シノニム

シノニムとは間違いで同じ生物に学名がダブってつけれて、使われなくなった方の学名をいいます。

カーペットパイソンでも一部の亜種をシノニムとする説があったりします。

学名はラテン語

学名の文字はラテン語です。もう話されていない言語(もう変化しない言語)だから、ラテン語が世界共通の学名で使われています。

基本的にローマ字読みで読みますが例外はあります(笑)

また本もでてますので勉強もしたら学名がスラスラ読めるようになるかも…。

『分類を知ると図鑑も楽しくなる』おすすめの爬虫類書籍を紹介

今回は動物の分類と学名についてをご紹介しました。

○界>○門>○綱>○目>○科>○属>○種です。

このしくみさえ覚えておけば、学名から属名を判別し何の仲間か割り当てることができます!飼育書や図鑑を見るときもさらに楽しくなります。

それではおすすめの飼育書と図鑑を紹介。

ビバリウムガイドの編集長の富水さんが書いている本。

飼育本なのに多くの種が載っていて、おまけにタイプ別に飼い方まで詳しく書いてあるので、飼育したい種が見つかるかも。学名もちゃんと載ってます。

この記事を書くのにいくつか参考にさせて頂いた図鑑。

爬虫類・両生類だけで1000種類掲載されていて、単なる写真集ではなく、1種1種にきちんと解説が載っています。最強の図鑑です。

決して小学生向けではありません。なにより爬虫類ハンターの加藤さんが監修しています。

掲載種こそ他と比べると少ないかもしてませんが、爬虫類の特徴がどUPで解説されていたり、DVDがついていて新しいタイプの図鑑です。

参考文献
海老沼剛.爬虫類両生類ビジュアル大図鑑.誠文堂新光社,2009,p.4-5

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